うみうしの日誌

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優しさの詰め合わせ

雪屋のロッスさん (新潮文庫)

雪屋のロッスさん (新潮文庫)

掌篇が多数収録されている。かなり短いので、設定は細かく説明されていない。
ただ、描写によって様々に想像できる。全体の雰囲気が優しいので、優しい想像に包まれる。

一番最初の話は「なぞタクシーのヤリ・ヘンムレン」。
ヤリはタクシー運転手。客に朗らかに笑いかけ、なぞなぞを1つ出す。商工会の人々からは、「なぞタクシー」として親しまれている。
ある夜、ヤリは客からなぞなぞを出された。

「区別がない。男も女も、子どもも、年寄りも。いっさいの、分け隔てがない」
片頬をゆっくりとあげていいます。ヤリは冷たい背中をシートに押しあてました。
「お客さん……」
「薄暗い木箱にはいってな。白い布切れを乗せるんだ。そうして火が燃やされる。お前さん、それがなんだか知っているだろう」

ヤリが出した答えは、あたたかった。